先週の土曜日からhibiでは初めてのデザイナーズブランドmaryam nassir zadehが店頭に並んでおります。 デザイナーであるmaryam nassir zadeh。2008年からニューヨークのダウンタウンでショップをスタートして以来、ニューヨークのファッションシーンの立役者となった。ただそんな彼女が作る洋服は、スピード感があるその街とは裏腹に、センチメンタルで飾らないものばかり。 彼女の両親が住むLAの家で撮った24awのルックは、アメリカンドリーム、カジノといわれるような僕らが想像するLAとはかけ離れた、哀しげで現実的、目を外せば一瞬で消えてしまいそうな、今を捉える写真。それは彼女のものづくりにおいて、創造することに考えすぎず、自由でその時を駆けるという考えにぴったりな気がする。 ロードアイランド、プロビデンスにあるRISDでアップサイクルを使った服作りを学んで以来、彼女の洋服には年々物事への新しい探究心よりも、自分の経験から得た着想源と個人的な記憶を物作りに反映しているように思えます。それは彼女のインスタを見れば明らかで、彼女がクリエイターとして活動する以上に、娘を持つ母親としてまた人生を楽しむ女性としてのライフスタイルが描かれています。 maryam nassir zadeh 2013ss また実際に僕らが尋ねたNYCのローワーイーストサイドにあるお店にもそのような彼女の空気感を感じ取ることができました。ルーズな雰囲気が漂うお店には、自由なスタイルを持った女性たちが、気の向くままに仕事を楽しんでいるようでした。 ニューヨークという街の中で、彼女は自然で個人的な洋服を作り続けています。それはダウンタウンの荒々しい毎日に必要不可欠で、このようなブランドがあるからこそ、今後もニューヨークのブランドが存続していく一つのきっかけになっていると、向こうに出向いて確信しました。また彼女がセレクトショップのオーナーであるということも、我々の未来が少し軽くなったような気がします。 少数ではございますが、洋服から小物まで幅広いラインナップで揃えております。実物を見るとより一層この服の良さがわかると思います。 倫太郎