変わった流れと変えられたテーブルクロス

変わった流れと変えられたテーブルクロス

hibiで今年の春夏から新規にお取り扱いを始めたAYA YAMANAKA。初めてこのブランドを見たのは、奈良にあるHEN. さんというお店。喫茶店もあり、衣食を共にあわせた雰囲気の良いとても素敵なお店でした。次にお会いしたのは、谷町6丁目にあるNOKさんという美容室。ここは美容室という肩書きに囚われない、一見インスタグラムを見ると、色んなクリエイターが交流するギャラリーのよう。AYA YAMANAKAの洋服を訪ねると、どこもなんと形容するのか戸惑うほどジャンルミックスなお店に、その洋服は並んでいる。

AYAのアイテム名は、名前や固有名詞がついたアイテムが多くある。デザイナーの名前とか歴史的人物ではなく、その名前は実際にデザイナーである山中彩がドイツで働いていたカフェのスタッフの名前や、取扱先の店舗名だ。実は、AYAの洋服の一部は、カフェのユニフォームのデザインやショップの別注アイテムを、そのまま新規アイテムとして他店で取り扱いができるようにしている。

NOK silk pajama pants: NOKでの展示"sleep on it"にて発表されたもの

制服としてそこのスタッフが所属感を持ち、一つの社会の一員として着用される衣服や、他店との差別化を意識して特別なアイテムをデザインする別注アイテム、それら自分ひとりではなくみんなでデザインしたアイテムを、他の人が共有できるように他店にも置けるような仕組みを作る。その流れが、AYAの洋服がいろんなコミュニケーションが交わる場に並ぶ理由だと思う。

Aya apron dress: ドイツのジャパニーズカフェ zum l öwenのためのスタッフユニフォームとして制作された。

AYAのコンセプトでサステナビリティという考えがある。サステナビリティという制限の中で、衣服から衣服ではなく、日用品から洋服を作り出す。またスーツ1着分だと足らないスーツ用のテキスタイルを使用して、新しい服へと置き換える。

写真右の男性が着用しているシャツは、不要となったテーブルクロスから制作されたTowel shirt

何か制限がある中での制作は、コンセプチュアルではあるけど、出来上がったデザインまで上手くするのは難しい。でもAYAさんの服は、そんなことはぬきに可愛いから最高だ。きっとユニフォームや別注アイテムが、新規アイテムとしてラインナップされるのも、デザインのサステナビリティという考えがあると思う。

 

Curten tee: 不要になったレースカーテンを切り出した作られたTシャツ、ロングタイプもあります。

伝線しても良い感じになりそう。

ドレスタイプもあります。

山中彩さんは、当店でも取り扱いのあるドイツ・フランスを拠点とするBLESSや、そろそろ中之島美術館でも展示が始まるアーティスト塩田千春の作品制作を請け負った経験もある実力者です。色んな経験を積んだからこそ、自分の立ち位置を深く理解し、地に足のついた考えで、お値段も比較的手に取りやすいようにしているのだと思います。

ほんとに気分が上がる洋服がたくさんございます。ぜひ試しにいらしてください。

木原

 

 奈良にあるHEN. さんのインスタアカウントです。

谷町6丁目にあるNOKさんのインスタアカウントです。

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