洋服やプロダクトなど何にしてもそうですが、どこか余白があり、自分好みに使い方を少しずらせる、余裕があるものに心惹かれます。

最近のジャーナルで紹介したE RTなんかもそうで自分の洋服に合わせて、インナーに何を仕込むか、もしくは一枚であわせるのか、その時々の気分で少しずらしてみると、新しく見えたりします。余談ですが、日本の空間には「空」という概念があり、布団や箱膳、屏風や襖を使うことで、その時々で空間を可変していくという考え方。要は器として空であることで、その時々の何かを受け取れるという考え方です。そういった器の状態、自由で可変性があり、あらゆる視点で自己解釈できるものが面白いと思うんです。

コズミックワンダーが展開するラップシリーズもまた固定された形を持たない、器のようもの。余白があり、空という概念を洋服という媒体で表現しているよう。

巻く構造はインドの Dhotiや、バリ島などに伝わるSarong、日本の袴など、どれもアジアの伝統的な衣服、テキスタイルとして古くから使用されてきました。それ以降80年代にイッセイミヤケによるプリーツパンツやヨウジヤマモトの袴パンツ、またマルジェラによる巻き構造のトラウザーズも畳む、巻くという構造から同じ文脈にあるように感じます。コズミックワンダーは、光を纏う衣服として、洗練したミニマムなデザインへと、この文脈をアップデートしているのでしょう。

インドの伝統的な腰布 Dhoti
how to tie a sarong
Hakama

コズミックワンダーのラップパンツは全てフリーサイズ。老若男女、あらゆる体系を包む器として、自分好みに巻いてみてください。紐を襷掛けにしてサロペットのように着用するお客さんもいらっしゃいました。

大体おへその下、丹田あたりでぐっと締めると背筋が伸びてシャキッとします。
同素材のドルマンスリーブとセットアップでも。

ラップスカートもほぼ同じ構造のアイテム。巻く要素を持った東洋の空気感を持ち合わせながら、深いスリットが入っていて品がありエレガントな印象。男性はタイツやパンツとレイヤードしてもかっこいいと思います。

ラップドレスも背面に大きなスリットが入っているため、モダンな仕上がり。京都にある竜宮藍で染めた深みのあるブルーと、モノグラムのジャガードでおられたブラックの2色展開。モノグラムは、今回のコレクションに合わせてパリを拠点にするグラフィックデザイナー クリストフ・ブランケルによるもの。

国内外問わず、西洋中心の洋服が多い昨今で、巻くといった構造は遡ると日本古来の伝統的な衣服として定着していました。現代的な洋服からは、その文化やスタイルは少しズレた位置にあるのかもしれません。それでも日々の洋服とラップシリーズの組み合わせを楽しんでみると、古来の文化を再編する面白さと、日々の洋服に新しい光が差し込む感覚が見えてくるかもしれません。

木原