ありがたいことに昨年の秋冬から取扱が始まったCOSMIC WONDERも少しずつお店に定着してきているようで、彼らが提案する精神性が洋服と共に伝わっているととても嬉しく思います。
洋服の中でロゴ、エンブレムは、ブランドのアイデンティティを示す重要な要素の一つ。コズミックのエンブレム、正円(サークル)は、光を表し、プリミティブである種の呪術性が込められたモチーフ。今回はそのサークルの他に、フランス人のアーティストChristoph Branquellによるモノグラムも展開されています(モノグラムに関するジャーナルはこちらへ)

その中でも特に印象的な作品が、このトラベルバッグ。トラベルバッグというアイテム自体が、見覚えのある某ハイブランドを彷彿とさせますが、その上モノグラムを加えた、主張性の強い作品。

The dress attachable a wall 1999
私たちにもう心の壁は必要ない。
心の壁はどこへ行ったの?
ドレスに貼付けてやったのさ。
悲しみの壁はドレスに貼付けて見せしめにするのがいい。
そして、自由になるのだ。*
COSMIC WONDER Light Page 「静寂の未知炉、新たに光を灯すよう 第1章」より

1999年、COSMIC WONDERが、壁のついた服を着用したニューヨークのバンド「アクトレス」を撮り下ろした作品集があります。一見すると、現在のCOSMIC WONDERよりも攻撃的でパンクな印象ですが、精神世界に対する表出に差異があるものの、根底には現在とも同じように捉えることもできる気がします。
Y.M: 「いわゆる服ではない、創造的なものとしての服」を作って、それを日常のなかで着る、という場面を写真集で出してみたいと思いました。写真集を制作するにあたって、ニューヨークのアクトレスというバンドの人たちを紹介してもらいました。壁付きドレスを着てもらい、ニューヨークの彼女たちの日常のなかで写真を撮りました。
COSMIC WONDER Light Page 「静寂の未知炉、新たに光を灯すよう 第1章」より
今回のコラボレーション、特にトラベルバッグは、Christoph BrunquellとCOSMIC WONDERの過去のアウトプットの手法が混ざり合い、その上で現在のアウトプットが、縦糸と横糸が交差するように制作されています。

Christoph Brunquellによる作品集。コラージュが続く作品集は、Christoph独自の社会批評が赤裸々に表現されている。
また彼はアーティストでありながら、90年代-00年代を語る際に重要な指針となったフランスの雑誌「Purple」のアートディレクターを務めるなど、彼の表現は多岐にわたります。COSMIC WONDERも度々その誌面に載るなど、デザイナー前田征紀とChristoph Brunquellの長年の交友関係があってこそ、生まれたスペシャルなコラボレーション。その時代を回帰すると共に、彼らの今のクリエーションが混ざり合った異色であり、必然的に生まれた作品です。

トラベルバッグの中は、fig.のロングスリーブ、SONOのベスト、スタッフから借りたボトルとイヤホン、オランダで買ったけどまだ開けてないサルミアッキ。


