移りゆく季節、駆り立てる想像

カラッとした春光の心地良さが少しずつ熱を帯び始め、夏の前触れを感じさせる季節に入った今日この頃。この季節になると決まって、音楽フェスの情報をチェックせずにはいられません。今年の〇〇には誰々が来日するとか、〇〇着て誰々のライブ行きたいとか、お客さんとの会話の中や友人とのLINE、飲みの場においても情報が更新されるたびにああだこうだと話します。ライブハウスやナイトクラブの閉塞的な空間を抜け出し、解放的なフェスティバルに思考が向き始める、そんな時期でもあります。

hibiの店内にもそんな季節の移行を感じさせるアイテムが並び始めています。

その筆頭として、今回はSANTANGELO。

スタイリストとして活動する傍ら、一年に一回、とびきりの夏を彩るコレクションを発表するデザイナー、アンナ。NYでのハンドメイドで生み出される彼女のジュエリーは、80-90sのリズムとビートを内在している。

Shoom Necklace

Genesis '88 Necklace

天然のパールやマーブル調のリバーストーン。それらをジュエリーたらしめるスターリングシルバーチェーン。カリフォルニア育ちの彼女のルーツに忠実な、サーフカルチャーのムードが漂います。

これら”Genesis ’88”や”Shoom”ネーミングは1980年代にイギリス・ロンドンで開催されていたレイヴ/アシッドハウスパーティの名前から引用されたものです。レイヴ黎明期の当時から現在まで、魂を解放する非日常の空間として熱狂的なファンから愛され続けるこのカルチャーは、Santangeloのクリエイションに文化的な奥行きを持たせています。レイヴの最盛期を想起し、そのノスタルジックな気分をそのまま形にしたようで、着用するだけで何かエモーショナルな感覚を刺激されます。


余談ですが、当店のブックスペースには、世界屈指のレイバーでありフォトグラファーのアンリ・ロアの作品集が並んでいます。当時のノスタルジーに浸ることができるビジュアルが詰まった作品集ですので、是非併せてご覧ください。

 

Santangeloを象徴するようなベルト型のジュエリー。

スタイリストとしてのキャリアで培った経験から、スタイリングに根ざした思考をもとに、着用者に着用方法を自由に考えさせる余地を残した自由度の高いアイテムです。個人的には、fig.のカットソーみたいなベーシックなアイテムの上から巻くことで、心地よさとファッションの高揚感を同時に楽しめると思っています。今シーズンは、天然石とスターリングシルバーのチャームがリズミカルなパーマネントコレクションアイテムと、新作である、ハンドカットにより成形された真鍮プレートを編み込みのホワイトレザーで巻き込んだアイテムの2点が店頭に並んでいます。どちらもスタイリングの中で小気味いいリズムをとってくれます。

また、今回のコレクションでは、ベルリンを拠点とするポルトガル人アーティスト、ノイザ・ロドリゲスとのコラボレーションでリングを制作しています。オブジェやポスターなど多岐にわたる作品を発表するアーティストであり、アンナの親しい友人であるノイザ。”Amada Mio(私の最愛の人)”というネーミングからも二人の親友としての関係性が垣間見えます。馬蹄型のシルバーリングに同素材で接合されたチェーンが垂れ下がるデザインは、存在感がありながらも繊細でフェミニンな印象を与えるグルーヴィなリングです。

 

その他にもご紹介から溢れたアイテムも店頭に並んでいます。装いが日毎に軽さを増す中、エッセンシャルとなりうるアイテムばかりだと思います。僕はこの夏、彼女のジュエリーを身につけて夏フェスに繰り出すのが待ちきれない。

永田

 

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