あと数日で2025年も終わりますね。

日本には、過ぎ去っていく年を惜しみながら新しい年を厳かに迎えるために心を整える”ゆく年くる年”という言葉があります。暦は周期的なものですが、そこに静かな風情を感じる日本人の情緒が詰まったとても好きな言葉です。

そして年末は身の回りものと向き合い、身も心も整理する時期。新年を迎えるにあたって、僕も店や家の大掃除を進めながら今年を振り返り、身の回りのものと向き合う時間を作っています。

COSMIC WONDERが制作するサークルベストは、主宰である前田征紀氏が、アーティストとしても活動する中で多くの作品に用いる円形のモチーフを衣服そのものに持ち込んだアイテムです。氏は自身のアーティスト活動として、日常生活における自身の体験とその体験を通して得たイメージや記憶を神秘思想と融合させ、写真や立体、映像やインスタレーションの形で作品を生み出してきました。

サークルは時間と生命の永遠性や循環の意味を持ちます。

新年に一年の健康と長寿を願って飾る鏡餅に丸餅を使うのもこの意味合いの派生だと考えられています(諸説あり)。この円形に対するイメージは日本に限ったことではなく、世界的にも万人共通の認識があるようです。

サークルモチーフは、万人共通のプリミティブなイメージでありながらも、日常の中であえて意識することのないものでもあります。このベストは、そういうありふれたものに対して意識的にさせる存在感があるように感じます。

オーバーサイズラウンドカットシャツに重ねると、裾のレイヤーが気持ちよくフィットします。

 

人間が共通してもつ原初的なシンボルを衣服にそのまま持ち込むことで生まれるシナジーは、牧歌的でありながらもどこか浮遊感を纏った非現実的なものに写ります。ムラにもマチにも馴染むけど馴染まない、絶対性みたいなものがこの服には内在しています。

中心から放射状に広がっていく編み地。自然光に当たると網目の一つ一つが円の一部として浮かび上がります。

 

一年を振り返り、また新しい一年を迎える準備をする中で、身の回りに意識を向ける時間に、一度手に取ってみてください。


永田