Makiが作ってくれたhibiのプリントシリーズが、ジャーナルを書かずじまいで無くなってしまいそうだったので記録として。ちょうど1月末にMakiと会ったことをちらほら(Maki Suzuki, åbäkeに関して詳しくはこちら)


1月末にMakiとKajsa、そして彼らの娘であるLPPLに会いにロンドンに行ってきました。コラボレーションしてから2年は過ぎたましたが、今回が会うのは初めて。
Ann-Sofie Backのパッチ、マルジェラのタグ、ダニエルジャンストンなど、たくさんのパッチワーク(彼がこれまで手掛けてきたコラボレーターのロゴを集めているそう)が施されたボロボロのブルゾンに、水色のスウェットセットアップ、ド派手な姿と優しい笑顔で迎えてくれた、見た目と表情がチグハグな日系フランス人のマキ。国籍不明のアウトサイダー。STREETのロンドン特集にいるリメイクセンスが抜群のこれぞロンドン?らしい人がマキでした。

スタジオには彼が手がけた本がズラリ。

シルクスクリーンを主に作品として表現する際には、彼は名義を改め、AIKO&WERNERという名義で活動しています。そんな彼が作るグラフィックはどこかちぐはぐで、感覚的なものと意図的なものが交差するようでしていないような、断片的に繋がっていく夢の重要の手前にある記憶に近い。ファッションブランドのデザイナーではなく、åbäkeのグラフィックをメインで担当し、その後出版社Dent De Leoneを立ち上げ、異なる名義で様々な活動をするマキ。だからこそでしょうか、グラフィックが流動的で臨場感さえ感じて潔く清々しい。

グラフィックデザインや出版社としてデザインするイメージは、クライアントの意向に沿ったデザインやあらゆる制約や他者の介入によってデザインされるものがしばしばですが、今回のhibiシリーズは、特に表立った依頼をするわけではなく、制約なしに、自由に、思うがままに制作してもらいました。

左下にAIKO&WERNERのタグ付きです。
ボディは全てhibiで買い付けた古着。ロンドンと大阪でギヴアンドテイク。

マキが版を制作しインクを刷り込む様子が、脳内再生されるような生々しさと、彼がグラフィックデザインを本心で楽しむ様子、喜びを感じるデザインは、漢字の罅をデフォルメした?バックプリント、水に浮かぶ頭が取れた人?それとも人ではない?といった答えのない問いを投げかけてくる。それらが荒々しくも重なり合い乱立するイメージが妙に一つにまとまり、とにかくかっこいい仕上がりでロンドンから届けてくれました。

敢えていうとわかりやすいさやブランドネームからは、遠くに位置したアンチテーゼとしても読み取れるグラフィックですが、それ以上にデザインする楽しさ、ものづくりへの愛が感じ取れるとても穏やかで、民主的でウィットに富んだ愛が溢れるデザインのように感じます。

こんなニッチなアイテムにも関わらず、手に取っていただけて嬉しい限りです。残りわずかとなりましたが、個人的に好きなものも残っているので、手に取っていただければ。

AIKO & WERNER (Maki Suzuki, åbäke,VICTORIA & ALFERDO MUSEUM)

Dent-De-Leone

木原