E RTが届くと秋冬の装いを楽しみたくなる。年に一回のコレクションということもあり、リサーチから制作、一貫して時間をかけてゆっくりとヴァージンメリノウールとシェトランドウールの2種類のみを使用したE RTの洋服が並びました。
今年の1月にイタリアのミラノで彼らが2026年のコレクションのルック撮影にお邪魔しました。E RTのデザイナーGiulia(ジュリア)とGiovanna(ジョバンナ)に会うのは初めてのこと。ビデオ通話で何度か話していたものの、直に会って彼らの人となりを知り、それらとE RTの洋服を照らし合わせたいという思いで彼らに会いにいきました。

左手前はジュリア、右がジョバンナ。
ニットを専門とするジュリアは、朗らかな印象に、芯を持った強さのある真面目な印象。
スタイリストも行うジョバンナは誰からも愛される陽気で表情豊かなおしゃべりでお茶目な性格。
イタリア人とは日本人と相性が良いとイタリアに住む友人から聞いたことがあったが、ジュリアの生真面目さと、ジョバンナのムードメーカー的な性格は、いわゆる日本人と、大阪的なノリが組み合わさった良いコンビだなという印象でした。2人を足すとウィットに富んだアイデアと誰からも愛される人柄の良さをもったブルーノ・ムナーリのような人になるのでは?と思ったり。
E RTはそんな彼らの性格が上手くミックスされたブランド。ニットを熟知し専門とするジュリアとスタイリスト的な視点を持つジョバンナから、装いにおいてファッションをピュアに楽しみ、ときにはそれらが面白くもなるようなデザインを、ヴァージンメリノウールとシェトランドウールという限定的な素材だけを用いて制作しています。

定番のMerino long sleeve teeは僕らのお店でもエッセンシャルなアイテムの一つ。シンプルな佇まいながら、裾と袖にリブがなく、アームホールはかなり太め。一方でネックラインはコンパクトなクルーネック。

E RTのメリノウールニットは全て12ゲージのいわゆるハイゲージニット。上品なドレープと肌触りのいいテクスチャー。素肌で着用しても肌に優しく、ロンTよりも上品です。

今の気分だと細パンとの組み合わせやショーツくらいの軽いパンツと合わせたい。
ボディとネックリブは手作業のリンキングにより取り付けられているため、締まりが程よく首周りが伸びてこないのも特徴。春夏はfig.のロンT、秋冬はE RTのメリノロングで。
また彼らは、メリノウールとシェトランドウールを用いて、それらの特性を最大限に活かしながら、それらが異なる質感や形状を生み出すため、日々探求しつづけています。今回はそうした探求から生まれたBoat-neck batwig merino blouseとOverwrapping V-neck batwing merino tunicも入荷しました。

Overlapping V-neck batwing merino tunic

Boat-neck batwing merino blouse
どちらもコウモリの翼をイメージしたアームホールが深いbatwing sleeveを用いて制作されています。アームホールの太さとメリノウールのドレープとの相性がよく、ボリュームがさほどでない良い落ち感。またボディとアームのシームが中に食い込むように取り付けられており、タンクトップやビブスをレイヤーしたようなスポーティな印象。


ボートネックやチュニックといった女性的でセクシーなイメージのあるデザイン。それに対してどこか子供らしいカラーとスポーツ感のあるディテールが、通常ミスマッチなところをバランス良く一つのアイテムに落とし込まれています。2人の歯車が重なり合ってできたバディなウェア。
彼らの洋服を見ていると、ファッションを楽しみたいという洋服として本質的で純粋な衝動が伝わってきます。それらと並行して、クオリティ、環境への配慮も大切にしています。そのどちらの欲求も、一つのクリエーションの中で表現しようとしていることが垣間見えます。
また彼らは洋服を販売してから、その後の経路も考えた上で制作しています。もし何かのきっかけで E RTの洋服を着用しなくなった場合、どういった方法でまた着用できるか、また新たな人へ提供するためのリセールにも取り組んでいるそうです。そこまで購入者に寄り添うブランドは中々ありませんよね。
ニットの品質から環境、購入者への配慮も含めた背景と、それでいて上品さとファッション的なユーモアも備えている。知れば知るほどイタリアらしさを感じるブランドですね。

彼らが使用するメリノヴァージンウールについて

糸に関してOEKO-TEXやTF Traceability and Fashionなどの厳格な国際基準に基づく認証を取得しています。
