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本書は、さいたま国際芸術祭2023の一環として展示された”ポートレイト・プロジェクト”に関しての記録を纏めた一冊です。
“ポートレイト・プロジェクト”は、本芸術祭のディレクターである現代アートチーム”目[mé]”の声かけにより、編集者・川島拓人氏によって企画された展示プロジェクトです。本展においては、招聘されたマーク・ペクメジアンとオルヤ・オレイニの2名の気鋭フォトグラファーと、さいたま市の小学生たちによるポートレイト65点が展示されました。
ベルリンを拠点にするマーク・ペクメジアンはさいたま市内の街頭でストリートハントした被写体を、パリを拠点にするオルヤ・オレイニは数珠繋ぎ的に出会った地域の生活に欠かせない”ローカルヒーロー”を、そしてさいたま市の小学生たちは親密な関係にある人物を、ポートレイトという根源的でシンプルな手法によって写します。これら合意によって定義されたポートレイト作品たちは、さいたま市のランドスケープとしてはもちろんのこと、”わたしたち”の個に対して対話を促し、ポートレイトに関する文化的・政治的な意義を問い直すものとして立ち現れます。
メインとして展示された2×2mのポートレイトは会期中毎日入れ替えられ、被写体と撮影者の関係によって撮影されるポートレイトを、被写体と鑑賞する人との間の相互関係によって展示空間を構成しました。
本書は、本展示の企画者である編集者・川島拓人氏の展示に至るまでのプロセスとその想いを、本人の文章や関係者が寄稿したテキスト、撮影背景などから多角的に捉えた一冊です。芸術祭のテーマ”わたしたち/We”をポートレイトという直球的でありながら多くの協力者を巻き込んだ多面的なものとして表現した本書は、ポートレイトの可能性や危うさ、ひいてはわたしたちの他者性に訴えかける、川島氏の柔軟で妥協のないクリエイティビティを感じることができます。
Pages: 328 p
Dimension: 161 × 220 mm
Publisher: PARTNERS STUDIO
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